1. 一生ものの財産とは?

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2020.09.28

一生ものの財産とは?

一生ものの財産とは?

誰もが、一生関わっていかなければいけないことがあります。

なんだと思いますか?

いろいろなことがあると思いますが、

それは”記憶”です。

自分の名前、住所、電話番号なども、

目で見たもの、嗅いだ香り、味わい、

大なり小なり”記憶”なのです。

 

本日は、記憶の種類、メカニズムを知っていただき、

より楽しく、より効率よくいろんなことを覚えることができる、

ということを知っていただけたらと思います。

 

記憶には、3種類あります。

1.”感覚記憶”(感覚情報保存)

目や耳、鼻などの感覚器官から、常に得ている膨大な情報のうち、

特に意識していない為に、1秒程度で忘れる記憶のこと。

 

2.”短期記憶”

15秒~30秒ほどで忘れる記憶。

相手から聞いた場所や名前などを紙に書き留めておく間だけ、など

短時間だけ覚えておくときに、使われる。(ワーキングメモリーともいう)

 

3.”長期記憶

年単位(場合により、一生涯)

自宅の電話番号、住所、生年月日、などです。

 

これらの記憶を私達は、使い分けているのです。

その 鍵を握るのは、脳の中の”海馬”というところです。

海馬は多くの記憶を整理し、覚えるべきものと、そうでないものを区別し、

”おぼえるべきもの”と判断した記憶を大脳皮質に送ります。

こうして ”長期記憶”になります。

そして、この海馬の特徴は

1.年を重ねても神経細胞がふえる。

2ストレスに弱い。

※(海馬は、快、不快の感情を作り出す偏桃体とのつながりが強く、

ストレスによって、海馬の神経細胞が増えるのを抑制してしまう。

例・PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症すると、

海馬が小さくなる事がわかっている。)

 

このことから、楽しく取り組み、記憶することが、

海馬の特徴からかんがえても効率が良い、

ということになります。

 

もう一つ、 記憶の二重構造、というのがあります。

皆さんにも以下のような経験があると思います。

「いつも通っているのに思い出せない建物」など。

「思い出せないけど、見ると(きくと)知ってた」という状態。

職場の天井や壁の模様など、もしくは近所の建物など、

思い出せないけれど、実際見ると「ああ、確かにこんな柄だった、」など。

これは、脳のどこかにある記憶を引き出せない状態。

このような、「自力で思い出せない記憶」”潜在意識下の記憶”

(ただし、ヒントがあれば、思い出す記憶)と、いいます。

反対に、「自力で思い出すことが出来る」”顕在化の記憶”

この2つの構造から記憶がなりたっていきます。

要は、

①自力で思い出せる状態・記憶(顕在意識に)

②自力で思い出せない状態・記憶(潜在意識に)

③そもそも覚えていない(記憶なし)

記憶力を高める、ということは、

③のなし、のところから、潜在意識に落とし込み、

上にあげていく、移行させることを意味するのです。

 

これまでのことから、脳の構造を踏まえ、効率的に記憶していくために重要なこと、

それは、【感情】【興味】【出力】の3つです。

 

1⃣【感情】好き嫌いの感情を司る偏桃体が作用しているとき、

短期記憶から長期記憶へ移行する”海馬”の”長期増強”が

起きやすくなることがわかっています。

つまり、嫌々勉強しても記憶の定着をはかれない、

好きこそ物の上手なれということです。

 

2⃣【興味】教科書の内容は覚えられないのに、好きなもの(電車など)は覚えられる。

これは、生理学的要因が関係しています。

人の脳には 新しいものに出会ったり、冒険したり、

脳が外界に興味を示しているとき、θ波(シータ波)になります。

これは、海馬の神経細胞を柔軟にして、脳を感受性の高い状態に保つことが出来るのです。

一般的に大人になると、物覚えが悪くなるのは、このθ波が関係している(人に限らず)。

この脳波は、リラックスしている状態の脳波です。

このことから、年齢を重ねると記憶力が低下する、というよりも、

加齢により日々の出来事に興味を抱けなくなった事が、

そして、ストレス過多の状態が、覚えの悪さの要因になるのです。

 

3⃣【出力】人はそもそも忘れる生き物です。

始めにお話しした感覚記憶でとらえている、ということは、

情報は見聞きした直後から忘れ去られ、その半分以上は、30分以内に忘れてしまう。

記憶を蓄積・定着させるには、繰り返し海馬を刺激する必要があるのです。

そして、情報は、入力よりも出力の繰り返しで、脳回路へ定着する、

というデータがあります。

記憶の蓄積は、「入れた時」ではなく、

「出したとき」に生じます。

そのときこそ、感覚記憶から、長期記憶に移行されていきます。

ですから、入力して出力、入力して出力、と繰り返すことが大切です。

また、海馬の神経細胞の生成は運動によっても促進され、

睡眠時に、情報の(短期記憶から長期記憶へ)転送されるのです。

 

シンプルにまとめると、

記憶力を高める、効率よく記憶するためには、

〈楽しむこと〉・〈わくわく感でいること〉・〈出力すること〉

そして〈しっかり体を動かし〉〈よく寝むること〉

 

昔から言われていること、そのままですね。

ぜひ、お子様と一緒に楽しく記憶をしていきましょう。

 

※参考文献
脳とこころのしくみ(新星出版社)
脳の取扱説明書(みらいパブリッシング)
つながる脳科学(講談社)

 

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