教室を2年前に卒業したH・T君。
1歳になる前から七田式を始めて、6年生修了で卒業するまで、12年間通ってくれました。
感性豊かで、いつも「俳句ノート」を持ち歩き、感じたことを書き留めているような生徒さんでした。
自分より年齢が低い子の面倒見もよく、年上の生徒からも可愛がられていました。
もちろん勉強もよくできます。
かといって、まじめなきちんとしたという型にはまっているわけではなく、仲間とわいわい騒ぎ、冗談やいたずらも大好きなスポーツマンでもありました。
その彼が中1の、入学から数か月の頃、担任の先生に呼び出されたのだそうです。
「何か悪いことしたかなぁ。」
そう思いながら恐る恐る先生の待つ部屋に行くと、先生は開口一番
「お前はどうやってそんなお前になれたんだ?!」
と聞いてきたのだそうです。
意味が解らずぽかんとするH・T君。
その先生は、何年も中学生の男の子たちを見てきた中で、ある程度の平均的な中1男子像が出来上がっていたのです。
思春期特有のエネルギーが負の方向に行きやすい、すべてを面倒くさがる、一生懸命は格好悪い、友達の悪い所に目が行きやすい・・・。
それらをすべて、自然に覆していたのがH君で、先生は良い意味で気になって仕方なかったそうなのです。
子どもたちにはもともと「我」はなく、友達の喜びも悲しみも自分の事のように受け止める心を持って生まれて来ます。
そのきれいな心をいつの間にか汚してしまうのは、残念ながら周りにいる私たち大人です。
特にご家庭での環境が大きく影響するのです。
H君のお母さまは、教室の勉強会にも皆勤賞を差し上げたいくらい熱心に参加され、七田式教育を深く理解され、実行されていました。
H君の成長を、決して友達と比べることなく、H君自身の小さな成長も見逃さず、心から喜び、褒めてあげていました。
同じクラスの子にもわが子のように接し、励ましたり、褒めたり、時には注意して下さったりしていました。
どんなときにもわが子を信じる強さも持っていらっしゃいました。
子どもは親の言う通りには育ちませんが、親のやっている通りに育ちます。
わが子にこうあってほしいと願うならば、そのような行動を親がとるよう意識してみましょう。
H君のような、知性と感性のバランスの良い、自然体で、人に愛されるような、中学生でいっぱいな世界となったら、素晴らしいと思います。
私たちも、H君のような卒業生をこれからも沢山送り出したいと願っています。
ところで、H君が先生の質問にどう答えたかですが・・・
「家族に愛されて、目の前の事を一生懸命やってきました。普通です。」だそうです。
七田っ子バンザイ!!
かげながらH君の事、いつまでも応援しています。
長岡教室スタッフ一同