2020.07.12
繰り返しが大切です
今日はお子様にとって繰り返しが大切なことを、お話させていただきます。
シカゴ大学の脳科学者であるハッテンロッシャ―教授は、精密な顕微鏡を通して、
赤ちゃんの脳細胞を観察し、驚くべき発見をしました。
私たちの脳は脳細胞から枝を出し、隣り合った細胞とシナプスを作っていく、
その細胞間のシナプスの数は、誕生直後で2億5300万個もあり、
生後8か月では、5億7200万個にまで増えていたそうです。
しかし、1年経過するとシナプスの増加に変化が見え始めます。
成長過程に言葉がなく、外界からの刺激で強化されることのないシナプスは、
消えてしまう運命にあるそうです。
一度死んでしまったシナプスは、脳内から消えていく運命にあり、
死んでしまった枝からは、花咲くことは二度とないと言っています。
赤ちゃんの頭の中では、何とこのように何億というレベルのシナプスの生産が、
おこなわれており、使用されていないシナプスは消えていき、使われなくなります。
シナプスは繰り返し使用されると残り、繰り返しがないと、
そのシナプスは消えていきます。
そのようにして、12歳のころには、使用されないシナプスが消えて、
3億5400万個になり、落ちついてしまうというのです。
逆に繰り返しがあるケースでは、5億から10億とさらに増えていき、
3億では、比較にならない質の差が読み取れます。
それが、お子様の能力に差が生じる原因なのです。
このことから、質の良い脳細胞を育てるには、環境に豊かな言葉がけがあることと、
繰り返しの言葉がけがあり、記憶の質を高めることの重要性が読み取れます。
生まれてからの赤ちゃんの環境に、豊かな言葉の刺激があることが必要で、
さらに、繰り返しが大切だということなのです。
繰り返しの聴覚刺激が、優れた言語回路を開き、理解が容易で、
記憶の質の高い脳を育てていきます。
ここでご理解いただきたいことは、言葉は自然に育たないということです。
生まれた赤ちゃんに言葉がけをしないで育てると、
言葉を処理するために用意された細胞が待ちくたびれ、用がないということで、
視覚の為の細胞に回されてしまったりするのです。
そうなってしまうと、言葉の回路が育たないため、言語を聞いても処理できず、
理解することが困難な脳になってしまうのです。
4歳になっても言葉がでないというのは、言葉は自然に育つものと思い、
誕生直後に、言葉かけをしなかったことから起こることが多いことがわかっています。
それとは逆に、誕生直後からの赤ちゃんに豊かに言葉を語りかけると、
言葉の理解がとてもスムーズで言葉を聞いて理解し、記憶する能力が良く育ちます。
そして、同じ言葉や文章を繰り返し聞くほど、記憶の聴覚回路が育ち、
脳の質を変えるのです。
お子様にとり、豊かに言葉を語りかけることは大切です。
絵本読みやフラッシュカードなど、日々の生活の中での語りかけを
取り組んでいただけたらと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。